インターネット加入者数や都市化率の高い都市やフェスティバル。また、各地で異なる食文化など、インドの生活に関する情報を集めました。
生活
生活
固定インターネット・サービス(2020年3月末時点)
固定インターネット・サービスの加入者数は2,242万である。回線種別内訳はDSLが48.1%、イーサネット/LANが18.2%、ダイヤルアップが14.2%、光ファイバが13.2%、ケーブルモデムが5.5%、その他0.8%となっている。
モバイル・インターネット・サービス(2020年3月末時点)
モバイル・インターネット・サービスの加入者は7億2,078万である。2016年秋のリライアンス・ジオ・インフォコムの市場参入によって加入者が大幅に増加した。
出典:世界情報通信事情(総務省)
公共交通
運用中/計画中の都市内大量輸送スステムの現況は下記の通り。
※BRT(Bus Rapid Transit):バスによる都市の大量・高速輸送。公共車両優先システム、バス専用道、バスレーン等を組み合わせることで、輸送能力の増大が可能となる高次の機能を備えたバスのシステムを意味する。
デリー
[都市鉄道] 7路線 運用中 [モノレール] 3路線 検討中
[BRTS] 1路線 運用中 [公共バス] 5,667台(773路線)
アーメダバード
[都市鉄道] 5路線 計画中 [モノレール] 検討中
[BRTS] 5路線 運用中 [公共バス] 1,100台(212路線)
ハイデラバード
[都市鉄道] 3路線 建設中 [モノレール] 計画なし
[BRTS] 計画なし [公共バス] 3,872台(850路線)
バンガロール
[都市鉄道] 1路線 運用中、2路線 建設中、2路線 計画中
[モノレール] 検討中 [BRTS] 計画なし [公共バス] 7,000台(300路線)
マイソール
[都市鉄道] 計画なし [モノレール] 計画なし
[BRTS] 計画なし [公共バス] 500台(100路線)
チェンナイ
[都市鉄道] 2路線 建設中 [モノレール] 検討中
[BRTS] 計画なし [公共バス] 3,497台(729路線)
インドール
[都市鉄道] 計画なし [モノレール] 計画なし
[BRTS] 1路線 建設中、7路線 検討中 [公共バス] 119台(50路線)
ムンバイ
[都市鉄道] 2路線 建設中、7路線 計画中
[モノレール] 1路線 建設中 [BRTS] 計画なし [公共バス] 4,000台(700路線)
プネ
[都市鉄道] 2路線 計画中 [モノレール] 計画なし
[BRTS] 1路線 運用中、5路線 検討中 [公共バス] 1,825台(369路線)
出典:インド国 ITSを活用した都市交通問題解決のための情報収集、確認調査(国際協力機構)
食文化
世界的な料理の1つであるインドの食文化の特徴は、さまざまなスパイスやハーブを多用することであるが、地域・民族・宗教・階層などによって多くのバリエーションがある。カレー(英: curry)は、多種類のスパイスで味付けするというインド料理の特徴的な調理法を用いた料理に対する英語名であり、語源は、タミール語の「ソース」を意味するカリ(Kari)から転じたという説など諸説ある。
北インド
北インドは、日本でも有名なナンを初めとした平たい形状のパンで有名であり、プリス(揚げパン)やチャート(スナック)など多種多様な小麦料理がある。マトンやチキン、ミルクを用いた料理も豊富にある。パラサ(パンの詰め物)、グッチピラフ(マッシュルーム入りライス)、ケバブ(肉料理)、 ニハリス (マトンのシチュー)、ダウラットキチャート(ミルク料理)、 ジャレビ (甘いプレッツェル)などが有名である。カシミール地方では、ハク(ほうれん草料理)、グスタバ(ミートボール)、タバクマゼ(揚げたラム肉)、カハタバイガン(ナス料理)などが知られており、さらに、ヒマーチャルプラデーシュ州の丘陵地帯を下って行くとフルーツワインの産地もある。
東インド
インド東部の料理は、インドで最も古い料理の1つであると考えられている。主にビハール州、ベンガル州、オリッサ州、およびアンドラプラデシュ州で構成される東インドの料理体系は、郷土料理と国際的な影響の興味深い組み合わせと言える。例えば、インドの中華料理は、かつてのカルカッタのタングラ地域で生まれた。 東インドは寺院料理でも知られている。見た目も美しく、蒸す、燻製、炒め物、発酵などの調理技術が駆使されている。
西インド
貿易文化の拠点であったため、商人を通じて海外の影響を受けたのが、グジャラート、 マハーラーシュトラ、そして、ゴアの食文化である。例えば、ダンサーク(レンズ豆と野菜の肉カレー)やアルティーパレティー(卵のキーマ料理)などである。今日でも、この地域の食文化は3つに大別される。初期の居住者によるコカニ料理、バラモンとサフカーによって生み出されマラーターの支配下で体系づけられたマハラシュトラ料理、そして、植民地時代にやってきたパールシーのアングロ・インディアン料理である。
観光地で有名なゴアの料理は、ポルトガルの影響を強く受けている。ゴアにしかない珍しい食材としては、キングフィッシュ、ポンフレット、マグロ、サバなどがある。この地域のヒンドゥー料理はスパイスがあまり用いられず、他の地域では必ず利用される玉ねぎとガーリックも料理に使うことはあまりない。
南インド
ドーサ(クレープ)、サンバー(シチューレンズ豆のスパイシー)、ラッサム(世界最古のコンソメ)など、南インドの食文化は、アーユルヴェーダの原理に基づいて開発された。南インドの料理の多くは、紀元前2世紀以前に遡る。揚げ物の技術も南インドで生まれ、最初のフライドチキン料理が作られたと言われる。ウドゥピ料理もこの地域で生まれ、インドのベジタリアンメニューの60%は南インド発祥と言われている。オーガニックコーヒーや高品質のスパイスの産地としても有名で、特に胡椒、クローブ、カルダモンを利用した風味に特徴がある。
出典:インド政府観光省、日本野菜ソムリエ協会
フェスティバル
ほとんどのフェスティバルは神話や伝説、宗教に根ざしており、ヒンドゥー暦やイスラム歴に則り毎年の開催日が決まる。ホーリー、ダシュラ、ディワリの3つは、まさにインドの国民的行事で、「インド三大フェスティバル」と称される。
ディワリ
最も有名なフェスティバル、ディワリ祭は10月または11月に行われる。ディヤと呼ばれる土のランプに火をつけて、蝋燭やディヤで家を飾るディワリ祭は、一般に「光の祭典」と呼ばれている。
ホーリー
「色彩の祭典」と呼ばれるホーリーは、一般的に3月に行われる。人々はお互いの顔を色で塗り、友人や家族に水風船を投げる。人々は集まってプレゼントを交換し、すべての悪を祓う聖なる焚火を燃やす。祭りの期間中は、グジヤ(甘い餃子の揚げ物)、ダヒヴァーダ(ヨーグルトを添えたスナック)、タンダイ(アーモンド、バラの花びら、スイカの穀粒、カルダモンで作った飲み物)、パコラ(フリッター)など、ホーリーのためだけの料理が用意される。
ダシェラ
ダシェラは、ヒンズーの英雄であるラーマ王子が3人の悪魔と10日間にわたる戦いの末、勝利したことを祝うフェスティバル。ダシェラの前日までの9日間は「ナヴラトリ(Navratri)」が行われ、10日目の「ダシェラ」ではラーマ王子に倒された魔王ラーヴァナになぞらえた巨大な人形を燃やす催しがインド各地で行われる。インドの叙事詩「ラーマーヤナ」のストーリーを元にしている。
イード
ラマダンの「聖なる月」が終わった後、開催される。イスラム教徒はラマダン中に厳しい断食を実行する。イードという言葉には「断食を破る」という意味がある。この日、信者たちはモスクで祈りを捧げ、「イードムバラク」という挨拶を交わす。
オナム
ケララ州全体で祝われるオナムは、マラヤーリで最も人気のあるフェスティバルである。オナムはアサムの日に始まり、ティルオナムまたはティルボナム、つまり神聖なオナムの日まで10日間続く。初日には、カパリスンの象、カーニバルの山車、明るい服を着たダンサーやミュージシャン、その他のさまざまなアーティストが参加するストリートパレードが開催される。
ラサヤトラ
ラサヤトラ(一般にチャリオット・フェスティバルとも呼ばれる)は、インドで最も重要なヒンドゥー教のフェスティバルの1つである。ヴィシュヌ神の化身であるジャガンナート神を崇拝するフェスティバルである。ジャガンナート神、バララーマ神、スバドラ女神の3つの偶像が、3つの異なる戦車で夏の寺院に1週間掛けて移動するのが特徴である。
上記のほかにも、神々を歓迎するフェスティバルがインド全域で行われている。グル・ナーナク・デヴの誕生日として祝われるグルプラブ、ジャンマシュトミ、クリシュナ神、ドゥルガー・プージャ、ラクシャ・バンダン、バイサキなどの誕生日が有名である。
出典:インド政府観光省
経済成長が予測される都市
オックスフォード・エコノミクス・リサーチ研究所の調査結果によると、2019年~2035年の間に最も急速に成長する都市の世界ランクの1位から10位をすべてインドの都市が占めた。※単位は $ billion
1.Surat(スラット)
成長率:9.17% 2018年時点 GDP:28.5 2035年予測 GDP:126.8
2.Agra(アグラ)
成長率:8.58% 2018年時点 GDP: 3.9 2035年予測 GDP:15.6
3.Bengaluru(バンガロール)
成長率:8.50% 2018年時点 GDP:70.8 2035年予測 GDP:283.3
4.Hyderabad(ハイデラパッド)
成長率:8.47% 2018年時点 GDP:50.6 2035年予測 GDP:201.4
5.Nagpur(ナグプール)
成長率:8.41% 2018年時点 GDP:12.3 2035年予測 GDP:48.6
6.Tiruppur(ティルパー)
成長率:8.36% 2018年時点 GDP: 4.3 2035年予測 GDP:17.0
7.Rajkot(ラジャコット)
成長率:8.33% 2018年時点 GDP: 6.8 2035年予測 GDP:26.7
8.Tiruchirappalli(ティルチラパリ)
成長率:8.29% 2018年時点 GDP: 4.9 2035年予測 GDP:19.0
9.Chennai(チェンナイ)
成長率:8.17% 2018年時点 GDP:36.0 2035年予測 GDP:136.8
10.Vijayawada(ヴィジャヤワダ)
成長率:8.16% 2018年時点 GDP: 5.6 2035年予測 GDP:21.3
出典:The 10 fastest-growing cities in the world are all in India (World Economic Forum)
消費者の意識
消費に関する意識・価値観
意識や価値観につながるものとして、広告代理店・博報堂による中間層以上を対象とした調査が参考になる。デリーにおける、現在お金をかけているものの調査'2010 年(では、上位から、ふだんの食事、通信'携帯電話、ネット等(、外食、健康・リラックス、旅行、外出着、ふだん着、内装・インテリア等の住まい、個人的なプレゼント、家電品が入っている。今後もお金をかけたいものは、現在お金をかけているものと大きくは変わらないが、異なる点は、ふだん着が外出着より上位であり順序が逆である点と、家電品の代わりに子供のための教養・勉強が入っている点である。また、デリー・ムンバイにおける、趣味の調査'2008(では、TV をみる、ラジオをきく、音楽鑑賞、読書、外出/喫茶、友人と話す/遊ぶ、買物、料理、ビデオ/DVD、散歩/ウォーキング、映画館に行く、国内旅行、劇場に行く、が入っている。このことより、価値観に関するキーワードは、家族や周囲の人々とのつながり、食、健康、教育が考えられる。
ブランドへの意識
インドの消費者は価格に敏感であるが、単に価格が安ければ良いというわけでもない。商品が価格に見合った品質のものであるかが購入決定において重要とされる。ティア 1・2 都市圏を中心とした 23~60 歳の富裕層、中間層及び上位貧困層を対象にした ICRIER の調査'2009/10 年实施(によれば、ブランド品の方を選ぶという回答者が高かった商品は、栄養補助食品、耐久消費財、日用品、時計で、99%以上の人がこれらの商品についてはブランド品を選ぶという。一方で、衣類と加工食品については、それぞれ、41%、52%であり、ブランド品を選ぶ割合は前述の商品よりも低くなっている。
また、インドに参入している外資ファッションブランドの一部に対する購入有無及び認知に関する結果をみると、靴ブランドの Bata で商品を購入したことがある人の割合は 75.3%、知っている 22.0%、知らない2.7%であり、購入したことがある人及び認知している人を合わせれば 98.3%に及ぶ。同ブランドは小規模な都市への進出も行っており、2010 年に全国 1,200 ヶ所の店舗を持つ。Bata は 1931 年にインドへ参入しており、他の外資企業に比べ早いが、1995 年にインドへ進出した Nike においてもその購入あるいは認知度は高い。Nike の場合、購入したことがある人の割合は 51.0%、知っている人は 44.7%、知らない4.3%であり、購入・認知を合わせれば 95.7%である。Nike ウェブサイトによると、店舗数は 55 都市に 80以上ある。2006~2010 年にかけてクリケットチームのスポンサーを行ってきたことは認知度を高めた要因の一つと考えられる。
ブランド商品の購入には、品質・サービスに関する認識や店舗での取扱い状況などが影響を与えている。栄養補助食品の場合、近代的な組織型小売店か伝統的な個人経営型の非組織型小売店かを問わず、扱われる商品は名の通ったブランドであることが多い。そのような栄養補助食品は、健康安全審査に合格し、政府の規制を満たすことを約束しており、顧実から信頼されている。一方、ブランドの耐久消費財は、高品質及びアフターサービスが充实していると認識されていることが多い。
なお、ブランド意識は農村部においても高まっており、ユニリーバのシャンプーブランド「Clinic Plus」やブリタニア・インダストリーズのビスケット「Tiger」は農村部にてよく売れているという情報もある。農村部でのブランド意識向上の要因には、高等教育を都市で受ける子供らの影響があるとされる。
出典:インド市場と市場開拓(日本貿易振興機構)
プラスチック規制
現在インドではほとんどの州が何らかのプラスチック規制を導入しているが、その内容や運用については非常に複雑かつ多岐にわたり、実態の把握が困難である。これはインドの法体系や行政制度に帰することができる。今般のプラスチック規制の発端となったマハーラーシュトラ州の規制についてその経緯と導入過程を説明する。加えて、同様に厳しいプラスチック規制を導入した南部の主要州、タミル・ナドゥ州の規制、そして、各業界団体の反発などを紹介する。
マハーラーシュトラ州(以下、MH州)におけるプラスチック規制
2018年3月、インド西部マハーラーシュトラ州政府は唐突ともいえる厳しいプラスチック規制の導入を発表した。同年 6 月の完全施行に前後して、MH州の各都市では生活へ大きな影響が生じ始めた。スーパーマーケットではプラスチック製レジ袋(plastic bag、以下プラスチック袋)が配られなくなり、ファストフード店ではプラスチック製のカップが姿を消し始め、ストローが紙に切り替わりだした。規制の内容は多岐にわたり、生活や産業界への影響は甚大になることが予想された。その後、数次の修正を経て MH州のプラスチック規制は続いている。
一方で、運用は必ずしも徹底されているわけではなく、普通のプラスチック製とおぼしき買い物袋を提供する商店もある。2020年3月、州政府は街中の取り締まりを行い、罰金を徴収したことが報じられている(「タイムズ・オブ・インディア」2020年3月3日)。MH州のプラスチック規制については、今後も修正や運用に注視が必要といえる。
タミル・ナドゥ州(以下、TN州)におけるプラスチック規制
2019 年1月、南部タミル・ナドゥ州もプラスチック規制を導入。その内容は MH州の内容と劣らず厳しいものであり、部分的には MH州より厳しいものであった。2018年6月5日、TN州首相は、州議会議場において、2019年1月1日を施行日として、その厚みにかかわらず、一度限り使用される使い捨てプラスチックを禁止することを発表した。続いて、TN州環境森林局は、2018年6月25日付で通達3637(以下、「TN州プラスチック禁止通達」)を出し、プラスチック袋、プラスチック製の旗、食品包装や食卓に広げる等に使用されるプラスチックシート、プラスチック皿、プラスチックのコーティングが施されているティー・カップ、プラスチックカップ、水袋・水パック、およびプラスチックストローについて、その厚みにかかわらず、製造、保管、供給、輸送、販売および流通を禁止。
ただし、同通達は、製造・加工所での使用に先立つ商品密封包装の不可分一体となっているプラスチック袋、ミルクや乳製品に使用されるプラスチック、および「compostable」と表示されており所定の基準・仕様を遵守した生分解可能プラスチックから作られているプラスチック袋については、適用を除外した。また TN州汚染管理委員会は、上記通達に沿って、禁止対象製品のリストおよび環境にやさしい代替製品のリストを発表した。
インドにおけるプラスチック規制は非常に複雑であり州ごとでも大きく規制内容や運用が異なる。そもそもは中央政府の施行した法律や発出した通達に基づき各州政府が権限を委譲され規制を導入しているのだが、各州によって解釈がまちまちであり、「プラスチック規制にかかるインド全土での共通認識」というものは残念ながら形成されていない。マハーラーシュトラ州と タミル・ナドゥ州という日系企業も集積する主要州においてでさえ、規制内容や運用が大きく異なる。今後、インドにおけるプラスチック規制の影響等を調査する際は、あくまで州レベルでの調査をすることが求められるといえる。
一方で、現状の各州の規制は絶対的なものでなく今後修正されることも大いに予想される。例えば、2017 年に導入された税制(GST:Goods and Service Tax)においても、これまでに税率の変更含め何度も大きな修正を経ている。インドでは、規制は(日本と比較した場合)可変的なものともいえ、常に注視をしていかなければならない。
出典:インドにおけるプラスチック規制の導入過程とマハーラーシュトラ州およびタミル、ナドゥ州の取り組み(日本貿易振興機構)
デジタルインディア
「デジタルインディア」は知識経済化、デジタル化を推進するための基礎的政策である。2014年8月に総額1兆1300億ルピーの予算でスタートした。行政サービスの電子化による効率化を通じて透明性の高い政府を目指す(腐敗撲滅はモディ政権で大いに期待された点であった)、行政手続きの煩雑さを解消し、ICT(情報通信技術)インフラの増強でビジネス環境の改善を目指すなど、多くの目的を持っている。
ICT分野での発展が著しい現在では、デジタルインディアという政策は単なる行政サービスの電子化や社会の効率性の向上という範囲にとどまらない。すでに国民の9割以上をカバーする国民ID(身分証明)制度であるアーダールや銀行口座の普及といった社会課題の克服、そしてフィンテックの普及によるイノベーションといった諸現象と結びつき、インド社会を大きく成長させる政策へと発展した。その意味では、所管は同じく通信IT省ではあるものの、前政権下(シン政権)で進められていた国家電子政策計画(NeGP)と比べると、大きく飛躍している。
デジタルインディアには3つの重点分野が存在する。第一にあらゆる市民にデジタルインフラを公共サービスとして提供することである。第二に行政サービスのオンデマンド化である。第三には市民のデジタルエンパワメントである。具体的には、ブロードバンドの公共サービス化、アーダールを生涯にわたるオンライン認証として活用できること、クラウドを活用した行政サービスが利用できること、携帯電話と銀行口座を通じて、デジタル化した金融サービスへの参画を可能にすることなどが挙げられている。
出典:インド経済大全